8検査の応用と展開<前編>
ここではJFASにおける数々の実績から、その原理、応用がわかりやすい例をいくつか挙げ3D画像検査の特異性と安定性をご紹介していきます。
(1)平面検査への応用
鉄板、フィルムなどの平面表面をスキャンすることによりゆがみ成分を抽出し、不良部を検出します (第11図(a)、(b)、(c))。
(2)ミクロン/サブミクロン表面測定への応用
半導体製品、FPD製品などミクロンオーダでの表面形状検査が求められているものが多数存在します。
これらの表面の傷、穴の深さを測定し、その表面状態より良品、不良品の検査を行います(第12図)。
実際の表面寸法測定の例として、計測位置確認のための指標とともに、両サイドに寸法が明確になっている物を置くことにより高さ分解能をデータ上で計算します。図では中央上部に指標三角マークがあり(紙の厚みが確認できる)右側30μm、左側10μmの金属片を置いています(第13図)。
穴断面の高さプロファイルを算出し、その高さデータにより穴の形状、深さを測定します。
画像では2.7μmの深さと確認できました。JFAS精密平面測定専用光学系と照明系を使用して計測しています。
(3)金属成型品表面および形状検査への応用
精密成型金属などの表面検査と形状検査を専用光学系とともに計測が可能になります。
表面形状検査と表面の色調検査により不良を分類し、表面状態と数々の傷などの深さ方向データにより、良品・不良品の認識検査を行います(第14図)。
同一製品表面を形状、色調に分類します。上記画像からも確認できるように明暗処理では黒点(汚れ)が確認でき、立体処理では穴の大きさ、深さが各々確認・検査ができ良否判定が行えます(第15図)。
(4)表面粗さをもった製品のへこみ測定検査への応用
従来の画像処理では表面粗さの中に埋もれてしまい不可能であった、くぼみの検査も可能です。
表面高さデータより3次元展開を行い、さらには平面を側面から確認してみると、多くの突起形状表面の中に一箇所のみ基準面より下側に飛び出た部分(実際には穴形状)が確認でき、穴の大きさ、深さなどの測定により、良品・不良品の判断が可能となります(第16図)。
また上記3次元データのヒストグラム処理により表面粗さ(突起量の多さ、突起高さの統計データ)が確認でき、これにより表面状態の不良が検出可能です(第17図)。
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